本稿では、
「大学院の院試を受けるけど量子化学のおすすめの教科書や問題集ってある?」
「量子化学の演習書はどれを使ったらいいのかわらない!」
このような疑問にお答え致します。
こんにちは。院試で京都大学大学院OBのインプロです。量子化学はわかりにくくて難しくて、とっつきにくい分野ですよね。
自分も当時、教科書や問題集もどれもわかりにくくて、勉強する気持ちになりませんでした。しかし、適切な問題集や参考書で勉強すれば、ちゃんと理解できるようになります。
いい参考書を選ぶことは近道にも繋がるため、ぜひ良書で勉強しましょう!
本稿では、院試対策や学期末試験対策として「量子化学」を取り上げてみました。ぜひ、参考にしてみてください。
全体的な院試の勉強法については「院試勉強法バイブル」を参考にしてみてください。
情報戦と言われる院試の貴重な院試勉強方法が載っています。著者は横国大から東大大学院に進学した方です。
ちなみに、kindle unlimited(1ヶ月無料)利用すれば、無料で読むことができます。1ヶ月間だけ利用して解約するのもありかもしれません。金欠な学生にはありがたいです。
参考書
「マンガ+要点整理+演習問題でわかる 量子化学」はマンガと演習がセットになっているため、学びやすいです。
内容は広く浅くで、始めの一歩には最適です。量子化学という踏み込みたくない分野でも、マンガで理解しやすくしている点は個人的に高評価です。
1週間程度で読み終えて、次の参考書に進みましょう。
「なっとくする量子化学」は、下記の方に出てくる量子化学の教科書を書いている中田さんの参考書です。
わかりにくい内容を、詳細ですがわかりやすくかつ面白く理解できるように書かれています。
Amazonで中身をチラ見できます。
- 作者:中田 宗隆
- 発売日: 2001/11/16
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
「はじめての量子化学」は、ブルーバックスの本で、高校生でも理解できるように書かれています。「高校数学でわかるシュレーディンガー方程式」も、高校生でもわかるように書かれていますので初学者に最適です。
ブルーバックス本だけあって、文系や一般人にも理解しやすいように書かれているため、最初の参考書には最適です。
Amazonで中身をチラ見できます。
はじめての量子化学 量子力学が解き明かす化学の仕組み (ブルーバックス)
- 作者:平山 令明
- 発売日: 2019/03/13
- メディア: 新書
高校数学でわかるシュレディンガー方程式 : 量子力学を学びたい人、ほんとうに理解したい人へ (ブルーバックス)
- 作者:竹内淳
- 発売日: 2013/11/08
- メディア: Kindle版
「単位が取れる量子化学ノート」と「単位が取れる量子力学ノート」は学部の期末試験対策に書かれています。院試で最初の問題集としても役立ちます。
高校時代に物理を取っていない人に向けて、本の中にアドバイスとなる参考項目もあります。波動関数やシュレーディンガー方程式など実践的な内容で、まさに単位が取れる内容になっています。
1週間もあれば余裕で読み切れるので、最初のうちに購入してざっと読んでおくことをおすすめします。
Amazonで中身をチラ見できます。
- 作者:福間 智人
- 発売日: 2004/10/21
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- 作者:橋元 淳一郎
- 発売日: 2004/05/11
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
教科書(教科書と付属の問題集・演習書)
「量子化学―基礎からのアプローチ」は、量子化学を学ぶ人は一冊は持っていた方が良い教科書です。
後述する「物理化学―分子論的アプローチ〈上〉(マッカーリサイモン)」が分厚すぎて辞書的な教科書ですが、この本の良いところを凝縮したような本です。
図も豊富でレイアウトもよく、計算式も適度に詳しく載っており、学習しやすいです。
量子化学の知識がない人でも、基本から丁寧に学べるように計算式などは省略せず、独力でも学べることをコンセプトにして書かれた一冊です。
- 作者:真船 文隆
- 発売日: 2008/01/01
- メディア: 単行本
中田崇隆の「量子化学―基本の考え方16章」シリーズは、計算式をあまり用いずに、広く浅く学べる一冊です。
著者は前述の「なっとくする量子化学」と同じです。この教科書で勉強するならば、最初に読んでおくと良いです。
初めて量子化学あるいは量子力学を学ぼうとする人たちのために書かれた本です。計算式も多くないため読みやすいです。
「量子化学―演習による基本の理解」という、演習書も出ており、セットで勉強したいです。問題は、比較的やさしい問題を多く、大学1年生の定期試験問題の例を掲載してあります。
- 作者:中田 宗隆
- 発売日: 1995/09/05
- メディア: 単行本
- 作者:中田 宗隆
- 発売日: 2004/09/25
- メディア: 単行本
- 作者:中田 宗隆
- メディア: 単行本
- 作者:中田 宗隆
- メディア: 単行本
「量子化学 (化学入門コース 6)」は、とっつきやすい内容であることが特徴です。初学者向けです。
式の導出が丁寧であり、平易な文章で書かれています。演習書もあり、短期間で学んで大学院試験や学部期末試験に対応するには最適な一冊です。
基礎的な計算力を身につけるための演習書です。問題解答能力の飛躍的向上に有効な題材を精選しています。
問題を解くノウハウや、複数の解法の優劣評価、誤りやすい点など、役に立つコメントを豊富に盛り込んでいます。
- 作者:大野 公一
- 発売日: 1996/06/17
- メディア: 単行本
- 作者:大野 公一
- 発売日: 2000/04/26
- メディア: 単行本
マッカーリサイモンの「物理化学―分子論的アプローチ〈上〉」は、量子化学の名著です。
量子化学の教科書の中でもNo.1です。個人的には、上述の「量子化学―基礎からのアプローチ」か「量子化学 (化学入門コース 6)」」と、本書を一冊持っていれば完璧だと思います。
物理化学の名著である「アトキンス物理化学」よりも非常に丁寧でわかりやすいです。アトキンス物理化学はわかりにくすぎです。
英語ですが、章末問題の答えも出ておりおります。
- 作者:マッカーリ,D.A.,サイモン,J.D.
- 発売日: 1999/12/10
- メディア: 単行本
Problems and Solutions to Accompany Mcquarrie and Simon, Physical Chemistry: A Molecular Approach
- 作者:McQuarrie, Donald A.
- 発売日: 1998/02/12
- メディア: ペーパーバック
問題集・演習書
個人的には、上述の教科書とセットの演習書を勉強するのをおすすめします。「基礎の基礎を勉強したい!」という人や、もっとレベルの高い問題をやりたい!という人はイカの本をおすすめします。
基礎の基礎を勉強したい人向けには、「基礎物理学演習」をおすすめします。本書はやさしく解説された教科書を参考に、演習を通じて物理化学の基礎を理解できるようにまとめられたものです。内容が優しすぎると感じられる可能性もあります。
サイエンス社の物理化学です。一部、量子論が含まれています。地方国立大学やMarch受験の人におすすめします。
- 作者:渡辺 啓
- 発売日: 2004/07/01
- メディア: 単行本
「基礎物理化学演習」では、物理化学の演習書の中に量子論が含まれています。大学1~2年生を対象としており、高校で物理を履修せず物理化学に苦手意識を持つ学生のレベルに対応させた演習書です。
古い本ですが、「物理化学演習 第2版」の中にも量子論が含まれています。このあたりから、かなりレベルが高くなります。旧帝国大学レベル向けの演習書です。
ちょっと内容が古いですが、問題を解くことでかなりレベルアップできます。
「物理化学演習 大学院入試問題を中心に」は、物理化学の有名な院試の本です。この中にも量子論が含まれています。この問題を解けるようになれば怖いものなしです。レベルも非常に高く、東大・京大を受験する人にもおすすめできます。
物理化学演習 1―大学院入試問題を中心に (化学演習シリーズ)
- 作者:高橋博彰
- メディア: 単行本
過去の院試対策の記事は以下を参考にしてみてください。