本記事では、
「大学院の院試を受けるけど無機化学をのおすすめの教科書・参考書ってある?」
「無機化学の問題集・演習書が多すぎてどれを使ったらいいのかわらない!」
このような疑問にお答え致します。
こんにちは。京都大学大学院OBのインプロです。
私も院試では無機化学が出題されました。その対策を必死で行いました。
本稿では、大学院入試(院試)のおすすめの無機化学の参考書や問題集をレベル別にまとめてみました。
「何から手をつけて良いかわからない!」という人は、ぜひ参考にしてみてください。
全体的な院試の勉強法については「院試勉強法バイブル」を参考にしてみてください。
情報戦と言われる院試の貴重な院試勉強方法が載っています。著者は横国大から東大大学院に進学した方です。
ちなみに、kindle unlimited(1ヶ月無料)利用すれば、無料で読むことができます。1ヶ月間だけ利用して解約するのもありかもしれません。金欠な学生にはありがたいです。
【1】参考書
無機化学の入門の参考書は「絶対わかる無機化学」です。高校生の勉強内容から、大学の無機化学の内容まで橋渡ししてくれます。内容も簡単なので1週間も経たずして読見終わります。
「絶対わかる無機化学」と同じ著者の「マンガ 要点整理 演習でわかる無機化学」も漫画やイラストで理解して、演習を解きながら学ぶことができるのでおすすめです。
この本で「授業の単位取得や、院試対策までできる」という紹介をされています。ただし、内容が優しいので、はじめの参考書として利用した方が良いです。
【2-1】教科書【MARCH・地方国立レベル】
MARCH・地方国立大学の場合、下記の入門書1~2冊を手元において勉強すれば、院試対策になります。もう少し詳しい内容が知りたい場合は、「無機化学 その現代的アプローチ」をおすすめします。
「はじめて学ぶ大学の無機化学」は、初めて無機化学を学ぶ学生におすすめできる一冊です。ページ数は170ページ程度でコンパクトに浅く広い内容で、やさしく解説されています。
この本のコンセプトは、「高校と大学での学習内容のギャップを埋めるための教科書」です。高校化学と大学の専門科目を橋渡しする入門的教科書です。
目次だけですが、Amazonで試し読みができるので参考にしてみてください。
「無機化学 (化学入門コース)」は、入門コースという名の通り、難しいことが書かれていないため、入門の本としておすすめします。200ページ程度でコンパクトまとまっています。
無機化合物の性質や構造,合成法を理解するために、図が豊富にあり、要点をわかりやすく説明しています。
高校時代に化学を勉強していなかった人にもおすすめできます。演習書もでており、セットで勉強するとより効率的に勉強できます。
木田茂夫の「無機化学」は、初学者向きです。250ページ程度です。「できるだけ平易で、かつ生きた知識となるような無機化学の教科書を作ろう!」というコンセプトで書かれています。
取りあげる項目や物質の数が少ないですが、各章・各節で筋道あるストーリーが展開されているため、非常に理解しやすいです。
要点をかなり絞っているので、「シュライバーアトキンス無機化学」や「無機化学 その現代的アプローチ」を辞書代りにして、利用するとより理解が深まると思います。
出版社の裳華房のサイトで中身をチラ見できます。
「基本的な考え方を学ぶ無機化学―深く理解するために 」は、「無機化合物の結合の性格、反応性、結晶構造などがどのような因子で支配されるのか」という本質的な点を理解できるようにいる本です。
熱力学を使って無機化学を解説しており、ちょっと熱力学がわからないと迷子になります。論理的・化学的思考法に基づいて解説しており、初学者にはきついかもしれません。
Amazonで中身をチラ見できるので一度確認してみてください。
「リー無機化学」は無機化学の古典の教科書です。1982年出版なので非常に古いです。英語版は何度も改訂されており、最新版の評価は高いです。
しかし、当時、この教科書でも勉強したのですが、あまりわかりやすいとは言えませんでした。無機化学を1冊にまとめている点は評価できますが。。。
いま良書がたくさん出ているので、敢えて使う必要はないと思います。
【2-2】教科書【東大・京大・旧帝国大学レベル】
上記の入門的な本を一冊と、下記のいずれかの本を一冊持っていると、旧帝大レベルからの院試対策になります。
個人的なおすすめは、「無機化学 その現代的アプローチ」をメインで使用して、辞書的に「シュライバーアトキンス」を読むことです。
「無機化学 その現代的アプローチ」は、「シュライバーアトキンス無機化学」の翻訳者が書いた本です。シュライバーのエッセンスを教科書に入れ込んである感じがあり、日本人著者の教科書の中ではNo.1と思います。
「シュライバー が難しい!」、「シュライバー よりわかりやすい本がいい!」という人はこちらを使いましょう。ただし、「シュライバー」か「ハウス」は手元に合ったほうがいいです。
個人的には、「シュライバーアトキンス無機化学」や「ハウス」と一緒に持っておいて、シュライバー を辞書的に使用する方がいいと思います。
理由は、簡略化されているところもあるため、詳しく知りたい場合や、ニュアンスの違う説明が欲しい時に便利です。
最初の導入のところで、難しい数式が出てきますが、その他はあまり難しい数式もないため理解しやすいです。
これを勉強するならば、同著者の「演習無機化学 第2版 (東京同人)」もセットで勉強すると、大学院の院試対策になります。
東京同人のサイトで立ち読みができました。
「シュライバー・アトキンス無機化学」は、無機化学の有名な本です。人気もあり第6版まで重ねています。上下巻あり合せて、1000ページほどあります。
無機化学の本として、絶対的な地位を確立しています。京大の教科書としても使用していました。
イラストが多く、最近はカラーになったのでデザイン的に読みやすくなりました。
内容は、幅広い分野まで網羅しています。マニアックなことまで書かれていて、辞書的にも使用できる教科書です。
教科書内に演習問題もあり、院試対策の問題集としても使用できます。ただ解答は英語で別の書籍で発行されています。以下にリンクを貼り付けておきます。
東京同人のサイトで立ち読みができました。
シュライバー・アトキンス無機化学 (上) 第6版 – 株式会社東京化学同人
金欠の方や一時的に品切れの場合は、第4版が購入できます。2008年出版でカラーです。第3版は白黒なのでこちらをおすすめします。
「ハウス無機化学」は「シュライバーアトキンス無機化学」と同等レベルの教科書です。内容も類似しています。上下巻合せて900ページ近くあります。
しかし、「ハウス無機化学」の方が、「シュライバー」よりも詳しく説明されています。
例えば、量子化学のパートも丁寧に記載されています。
東京同人のサイトで立ち読みができます。
コットンの「基礎無機化学」は「シュライバー」や「ハウス」と並んで同等レベルのです。辞書的に使用するならば非常に良いです。800ページにも及ぶ教科書です。Amazonマーケットプレイス安く手に入るというメリットもあります。
【3-1】問題集・演習書【MARCH・地方国立レベル】
サイエンス社の「基礎無機化学演習」は初学者向けに最適です。サイエンス社の本は優しいため、最初の一冊に良いといえます。しかし、誤植が多かったりするので、ちゃんと自分で調べながら使用することをおすすめします。
「演習で学ぶ無機化学 基礎の基礎」(全180ページ)ですが、初学者向けですがこの本めちゃくちゃいいです。院試対策に最初に取り組むべきテキストなのは間違いないです。出版も2019年と新しい。
トピックごとに、概要、例題と解説、問題の解き方(詳しい数式)はもちろん、よくある間違えも掲載されています。
演習を解きながら学んでいくスタイル。かなり効率的に学ぶことができます。基礎の基礎かと書かれていますが、院試にも出題されるな内容が多いです。
下記のAmazonリンクで中身を立ち読みできます。
「演習で学ぶ無機化学」は、初学者向けですがこのも本でめちゃくちゃいいです。全143ページなので、かなりコンパクトまとまっています。こちらも院試対策に最初に取り組むべきテキストなのは間違いないです。
演習を解きながら学んでいくスタイルで、かなり効率的に学ぶことができます。院試にも出題されるな内容が多いです。
上記の本「演習無機化学 基礎の基礎」とは異なり、電気化学、無機材料化学の章を設けているのが特徴です。
下記のAmazonリンクで中身を立ち読みできます。
「無機化学演習書(化学入門コース)」(全187ページ)は、高校の化学から大学の化学への橋渡しをしてくれる一冊です。無機化学の基本事項を身につけるための演習書です。
わかりにくいところをチェックし、基本知識を再確認し、無機化学の基本原理を理解することを目指した本です。基礎的な化学概念計算の復習から量子化学までつなげてあり、うまく書かれています。
同じ出版社からでている教科書「無機化学 化学入門コース」とセットで学習すると効率が上がります。この教科書については、上の方でも紹介していますが、以下にリンクを貼り付けておきます。
【3-2】問題集・演習書【旧帝国大学レベル】
旧帝大レベルの対策でも、最初に勉強するならば、「演習で学ぶ無機化学 基礎の基礎」か「演習で学ぶ無機化学」を使用して、大まかな内容をいっきに勉強することをおすすめします。200ページ以下の本なので、早めに2~3周勉強して完璧にしたいです。
「演習無機化学 基礎から大学院入試まで」(全180ページ)はその名の通り、初学者向けから院試まで対応しています。
上記の本から、院試基礎レベル までの橋渡しをしてくれる本です。解説も非常に丁寧です。レイアウトも良いです。無駄な部分も少ないです。
基礎を固めつつ無機化学を理解して、院試基礎を学ぶという意味で本書を使用する価値があると思います。院試対策として利用している人も多いです。
2017年に第2版が出版されました。第1版の方にはAmazonの購入者レビューがついているので、参考にしてみてください。
そして、この本で学習するならば、この問題集の教科書に当たる「無機化学 その現代的アプローチ」とセットで勉強するのが効率的です。上の方のおすすめの教科書で紹介していますが、以下にリンクも載せておきます。
問題集は東京化学同人で立ち読みができます。
「もう基礎は十分できるのでいいや」という人は、下の方で紹介している「無機化学演習 大学院入試問題を中心に」に取り組んでください。
【3-3】問題集・演習書【東大・京大レベル】
「無機・分析化学演習 大学院入試問題を中心に」は、昔からある有名な本です。
無機化学の基本的なことから応用問題まで取り揃えていてます。ちょっと本の内容や解説が固いです。
分析化学と一緒の本になっており無機化学の問題は、コンパクトに収まっています。
旧帝大から東大、京大を受験する人におすすめです。
「無機化学演習 大学院入試問題を中心に」ですが、これも昔からある有名にな本です。
旧帝大から東大や京大を受験する人におすすめです。上記の本で問題数が満足できない人におすすめします。
この問題集を完璧にすれば、院試で解けない問題は無いでしょう。それくらい信頼できる本です。ここまでやれば、オーバーワーク気味でもあるかもしれません。
まだ足りないという人は、「シュライバーアトキンス無機化学」の章末問題をやりましょう。答えは別で英語ですが売られています。
全体的な院試の勉強
全体的な院試の勉強法については「院試勉強法バイブル」を参考にしてみてください。
情報戦と言われる院試の貴重な院試勉強方法が載っています。著者は横国大から東大大学院に進学した方です。
ちなみに、kindle unlimited(1ヶ月無料)利用すれば、無料で読むことができます。1ヶ月間だけ利用して解約するのもありかもしれません。金欠な学生にはありがたいです。
有機化学、高分子化学、物理化学、生化学、化学工学の教材
有機化学、高分子化学、物理化学のおすすめ参考書については以下の記事を参考にしてみてください。
https://inprogressx.com/entry/2019-6-21-english-3month