本記事では、
「有機化学の院試対策がわからない」
「有機化学を勉強法しているのに過去問が解けない」
というお悩みにお答え致します。
こんにちは。Fラン大学から京大大学院に進学したインプロです。
大学院受験の有機化学って非常に範囲が広くて何から手を付けていいかわからないですよね。情報も非常に少ないですし。
当時、私も同じような問題を抱えていました。私の場合、勉強方法をインターネットで調べまくって、自分で試行錯誤して勉強しました。
その結果、Fラン大学から京大大学院に進学することができました。
ただ、勉強方法を調べるのは非常に時間がかかる作業でしたので、私が調べた情報と私が実際にやって情報をまとめて、最短で有機化学の院試対策をする記事を記載しょうと思います。
勉強するに当たっておすすめの教科書・問題集を紹介していますが、レベル別により詳しく知りたい場合は以下の記事を参考にしてみてください。
レベル別に勉強することで勉強効率が変わります。
全体的な院試の勉強法については「院試勉強法バイブル」を参考にしてみてください。貴重な院試勉強の情報が載っています。ちなみに、kindle unlimited(1ヶ月無料)利用すれば、無料で読むことができます。1ヶ月間だけ利用して解約するのもありかもしれません。
全体的な有機化学の勉強の流れ
有機化学の勉強は、大きく分けて以下の3つに分かれていています。
- 基礎問題(命名、結合状態、異性体、酸・塩基)
- 有機化学反応・基礎(SN1・SN2、E1・E2)
- 有機化学反応・応用(人名反応)
最初に勉強すべきは、基礎問題です。 基礎問題をある程度完璧にした後に、有機化学反応基礎、有機化学反応応用を完璧にしていきます。
つまり、勉強の順番は以下のとおりになります。3ステップ勉強していけばOKです。
- 基礎問題 目安1~2ヶ月
- 有機化学反応・基礎 目安1~2ヶ月
- 有機化学反応・応用 目安2~3ヶ月
大切なのは、この順番を守ることです。最初から、反応応用を勉強してもいいのですが、効率が悪いです。
基礎を知っているからこそ、反応の考え方が理解できるようになってきます。
①~③までやれば、院試対策としは問題ありません。適切な教科書・問題集を選択すれば、東大・京大の院試問題にも対応できるようになってきます。
実際に私のようなFラン大学出身でも、京大大学院の院試に合格しています。
この教科書と問題集に関しては、レベル別にまとめているので以下の記事を参考にしてみてください。
①有機化学基礎の勉強法
勉強方法
有機化学基礎の勉強のポイントは以下のとおりです。
- 最初から問題集を解いて、教科書で調べながら学習する
- 問題集に教科書のページを記入する。
- 理解しにくい部分は、ポイントを記入する。
- 問題集は3回以上勉強する
最初に、有機化学の基礎問題を完璧にしていきます。
有機化学基礎の攻略法としては、簡単な問題集から初めて、数多くの問題をこなすことが最短で身につきます。
問題集は1回解いた後に、少なくとも3回以上は回して勉強していきます。
問題集はの使い方としては、教科書を読んでから問題集を解くのではなく、問題集を解き教科書で調べながら勉強していくのが理想です。
理由は、教科書を読んでから問題集を解いていくと、遅いです。化学系であれば一度学習しているはずなので、自力で解いていくのが先です。
※一度も学習したことがない人は教科書読みから始めるのはありです。
「最初に、調べながら問題を解いていくと遅いのでは?」と思うかもしれません。
確かに、調べながら問題を解くのは遅いのですが、理解しながら解いていく方が近道になります。
理由は、理解していない状態で何回も問題集で勉強しても、わからない状態で何回も勉強することになるので、結局最後までわからない状態が続くからです。
さらに、教科書で調べたことは、問題集へ教科書のページ記入します。これで復習する時に速度があがります。
理解しにくい箇所はポイントも問題集に記入します。
おすすめの問題集
時間がない人は「演習 有機化学」(サイエンス社)を、時間がある人(院試まで1年ある人)は「基礎有化学演習」(三共出版)をやりましょう。
「演習 有機化学」(サイエンス社)は優しい問題で構成されており、問題数が適度です。問題数は多くないので、短期間で復習できます。解説はあまり丁寧ではないので、自分で調べて理解していく必要があります。
勉強の目安期間としては、1ヶ月程度です。集中的にざっとやれば、2週間程度でも勉強できます。
一方、「基礎有化学演習」(三共出版)は問題数が豊富なので、時間がある人向けです。数をこなすことができるので、幅広い問題を解き応用力が付きます。解説が丁寧なのが特徴です。
勉強の目安としては1~2ヶ月です。
おすすめ参考書
「絶対わかる有機化学」は結合の基礎から簡単な反応まで、マンガ感覚で勉強できるので参考書としておすすめできます。
おすすめ教科書
地方国立大学やMARCHクラスであれば、ビギナーズ有機化学を、旧帝大以上を狙う人には、マクマリー上中下とウォーレン上下ををおすすめします。
②有機化学反応(基礎・応用)の勉強方法
勉強の流れ
まずは、上記の基礎問題を完璧にすることが大切です。その後に、有機化学反応の勉強に入ります。
有機化学反応は、SN1反応などの簡単なものから、難しい人名反応まで揃っています。
まずはSN1、SN2、求核置換反応などの簡単な反応を完璧にします。
その後に有機化学反応の人名反応を勉強していきます。
- 有機化学反応・基礎 (SN1・SN2、E1・E2)
- 有機化学反応・応用 (人名反応)
有機化学反応の基礎と応用の勉強法
勉強のポイントは以下のとおりです。
- 反応の電子経路がある問題集または教科書を使用
- 問題は紙に書いて解く
- 問題集は3回以上解く
有機化学反応ですが、電子経路を矢印で記載している問題集や教科書を利用するのが良いです。
この電子経路が書いてあるもので、反応がどのように進むのか理解していくことで、暗記に頼らない勉強ができます。
ここで、有機化学基礎で培った基礎知識が生きてきます。
例えば、「電子求引性が強いので、このあたりに電子が惹きつけられるはず」と推測しながら、勉強できることで理解が圧倒的に深まるからです。
ただし、この反応の電子経路を見ただけで覚えるのは困難です。ではどうすればよいのか?
おすすめは、推測しながら紙に書くことです。問題を解く際に、電子経路を紙書いて問題を解いていきます。
そして、紙に書いて覚えることを何度も繰り返します。3回以上解いたところで、電子経路が理解できて問題が解けるようになってきます。解けない問題は10回でもわかるまで解いていきます。
有機化学反応・基礎のおすすめ問題集
この有機化学の基礎反応に関しては、上記でも紹介している問題集に記載してあるので、基礎問題とセットで勉強していきます。
基礎有機化学演習・三共出版
有機化学反応・応用のおすすめ問題集
以下、旧帝大以上を狙う人の問題集ですがおすすめしたいです。
「演習で学ぶ有機反応機構 大学院入試から最先端まで」は反応経路(電子経路)が丁寧に解説されており、基礎問題~上級問題まで載っているのでおすすめできます。
「有機化学演習」(三共出版)は問題数が非常に豊富で、電子経路も丁寧に載っています。豊富な問題を通し問題にに慣れることができます。
おすすめ参考書
「知っておきたい有機反応100」は反応に特化している問題集で、非常にコンパクトに纏まっています。文庫本のような感じです。
マクマリーやウォーレンのような重い本を持ち歩くより、問題集とこの一冊を持ち運ぶ方が良いです。
電車の中でも勉強できるので非常におすすめしたいです。改訂されたことによりノーベル賞を取った金属触媒反応なども追加されました。
最新版
前版
おすすめ教科書
マクマリー上中下とウォーレン上下ををおすすめします。
解けない問題の対処法
解けない問題の対処法は以下のとおりです。それぞれ解説していきます。
- 2冊以上の教科書・参考書で調べる
- インターネットで調べる
- 質問する(教授、友人、インターネット)
①2冊以上の教科書・参考書で調べる
教科書1冊以上と参考書が1冊以上あると良いです。例えば、「マクマリー有機化学」と「知っておきたい有機化学100」を持っておくようなイメージです。
有機化学反応であれば、それぞれに反応経路(電子経路)が載っています。微妙に違う部分もあるので、相補的な学習ができ、理解が進みます。
書いていない部分も他の教科書に書いてある可能性があるので手元においておくことを推奨します。
②インターネットで調べる
反応名がわかれば、インターネットで検索するとサクッと調べることができます。
Googleで調べればほぼヒットしてきます。
インターネットと教科書でも、内容が微妙に違っている時もあるので、理解しやすい方を選んで学習していきます。
③質問する(教授、友人、インターネット)
有機化学系の教授に質問するのもありです。
もっと身近な友人に質問するのもありです。
そして、インターネットで質問する方法もあります。インターネットだと、知恵袋や教えてgoo!(OKwave)で質問します。
写真を貼り付けると著作権にひっかかりそうなので、自分で反応式を書いて質問すると良いでしょう。