こんにちは、インプロ嫁(@inprogress)です。
人事の仕事をしていると、こんなことありませんか?
「通勤ルートはJRを使用するのに私鉄の駅を使っている」
「自動車通勤代を支給しているけれど、最近別の従業員の車に乗って一緒に出社している」
今回は、従業員へ支給する交通費について考えてみます。
通勤交通費とは?
従業員の日々の通勤に関わる費用のことです。
労働基準法では、通勤手当の支給に関する規則はありませんが、労働力の確保をするために支給している企業が多いです。
支給方法としては、従業員の給与に加算したり定期券等の現物を支給する方法があります。
通勤交通費は、法律に基づき非課税限度額が設定されています。
平成28年度に改正されていますので改正後のデータを確認ください。
※国税庁HPより
電車・バス通勤者の通勤手当の詳細詳細については以下参照ください。
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/gensen/2582.htm
マイカー・自転車通勤者の通勤手当の詳細については以下参照ください。
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/gensen/2585.htm
つまり、所得税に加算されない範囲があるため、従業員の中には交通費を多く貰ったり貰った交通費よりも安いルートで通勤する悪質な者が出てくるのです。
よくある不正の内容!
不正が起こりうる事例として、
- 住所を偽って交通費を多く申請
- 申告よりも安い通勤手段で通勤
- 実際に使用している経路より高い経路で申請
- 実際に使用していない交通機関の通勤経路を申請
- 無許可で自家用車やバイク、自転車で通勤
- 一駅歩いているのにそれも含めて申告
- 交通機関を使わず徒歩で通う
- 交通費の申告とは別に他の人の車に乗って一緒に通勤する
等があります。
ちょっと儲けたい、少しならという軽い気持ちが取り返しの無い事態を招いてしまうのです。
交通費の申請方法
通勤ルートの考え方は、「社会通念上、合理的な経路を取るものとする」ものです。
つまり、通常考えられるルートでない場合(遠回り、普通電車で通勤可能なのに有料電車を使用する等)は認められません。
正しい交通費を支給するためには
まずは、従業員(正社員、契約社員、パートに関わらず)より、通勤手段、距離、通勤ルートを申告することを徹底させます。
公共交通機関利用者
利用区間までしっかり申告させ、交通費支給後は定期券購入後すみやかにコピーを提出してもらいましょう。
マイカー、バイク、自転車通勤者
申告された内容を元に、人事も地図できちんと通勤ルートと距離を調べます。
内容で気になる部分があれば、本人へ確認します。
会社によっては、マイカー・バイク通勤者から
- 免許証両面
- 自賠責保険証券
- 任意保険証券
- 車検証
のコピーを申告時に添付させる場合もあります。
このように常に人事が交通費をチェックしていると従業員が感じさせることで不正が起きにくくなります。
不正を撲滅するためにできること
引っ越したら改めて申告を
改めて申告し直してもらいます。
その際、住民票住所と通勤ルートを確認しましょう。
引っ越しした際に通勤ルートと交通費が変わりますのできちんと申告内容に不正が無いか確認しましょう。
また、精算する交通費があればきちんと返金してもらいます。
運賃改正の確認
従業員の不正をチェックするだけでなく、未払いが無いよう運賃改正やガソリン価格が見直された場合はきちんと支給額を変更しましょう。
人事として、きちんと支給するものは支給し、不正は認めないという誠実な対応をするのです。
日頃から従業員とコミュニケーションを取る
日頃からコミュニケーションを取っていると、事前に従業員から通勤ルートや通勤手段の変更の相談を受けることがあります。
また、不正を行っている従業員を見かけた人からは内部告発を受けることもあります。
いずれにせよ、従業員としては人事に相談しやすくなり、人事としては早めに情報を得られ業務をスムーズに進められるようになります。
外出時の交通費精算のチェック
業務上外出や出張時、通勤交通費として支給済の定期を使用する場合、交通費の精算をする際は差し引きます。
毎回確認するのは大変なので、経理部や所属長と協力し、定期区域を含めて精算されていないか抜き打ちチェックし指導しましょう。
申請通りの交通費やルートで通勤しない場合の対処法
犯罪、懲戒処分
交通費の虚偽申請や横領と分かった場合、「詐欺罪」や「業務上横領罪」等に該当する可能性があります。
また何度も繰り返す等、悪質な場合は懲戒処分の検討もしましょう。
通勤災害
通勤時に怪我をし通勤災害が発生した場合、従業員はすみやかに会社に報告し、治療に関わる費用は労災保険から支払われることになります。
労災申請は全て会社が行うため。自動的に不正があった場合はバレます。
これがきっかけとなり、懲戒処分にまで発展しかねません。
常に人事が監視・管理していることを意識させよう!
業務上で不正を見つけるには限界があるため、日頃から従業員と適切な関係を築いておきましょう。
これは、人事だけでなくコンプライアンスや企業経営にも直結する問題です。
常に人事がきちんと監視・管理していることを意識させることで、不正を未然に防ぎましょう。